コロナ禍の時差‘退勤’

コロナ渦で会社は時短営業。定時早々に消灯。締め出されるようになりました。
まだまだ仕事が残っていた私は、時短で20時までの営業になっている会社の近くにあるカフェに向かいます。
そこで仕事してから帰ろうと考えたワケです。

私の自宅や仕事も含め、行動範囲はだいたい東京の東側に位置しています。
上野、秋葉原、神田、東京。仕事ではこの辺が行動範囲。

早々に自宅に帰るべきなのは分かります。ですが、私の使っている電車の路線。
周囲の企業がみんな時短営業しているらしく、16時〜19時くらいがピーク。以前はもう2時間ほどピークは後ろでしたが、早まっているのは確かです。

自宅に居れば家族の用事を頼まれたり、自室にあるゲームや本など誘惑があります。
少し帰る時間をズラす為にもカフェでひと仕事。

そう「自分に言い聞かせて正当化している」という見方もできます。嫁に言われました。
行きつけのコーヒーチェーンでいつものコーヒーを注文。大体いつも座っているあたりに座ります。

1時間ほどPCに向かって仕事をしていると、嫁からメッセージが届きました。
「子供と実家行ったら、そのまま泊まりたいと言うから置いてきた。」
自宅から30分ほどの嫁の実家。
なんなら嫁も一緒に泊まって来てくれれば、明日の休日は私一人の自由時間。
明日は部屋で一日中ゲームとネット動画だな。と、瞬時に明日の計画を立てます。

すると嫁からメッセージ。
「クルマだから帰ってきた。」
なんと珍しい。
嫁は免許を所持していますが、私のクルマには滅多に乗りたがりません。
同時に、私の自由時間は消えました。

私のクルマは、今は少数派のマニュアルミッション。
免許を取得してから、モータースポーツしたくてマニュアル車を好んで乗りました。
クルマで「走る」事をやめてからも、自分のクルマはMT車ばかり。
嫁は結婚当初は免許を持っていませんでしたが、渋々MT車教習で免許取得。現在に至ります。

「なら、会社まで迎えに来てよ」
と私からメッセージを入れてみます。「がんばる。」の返信。
よし、これで帰りの電車内でのウィルス感染リスクを避けて帰れる。こじつけ。

ハイテクの向こう側にいる嫁

嫁の一番嫌いな「坂道発進。」
自宅から私の職場までの道のりには、陸橋や少しの傾斜の坂道がいっぱいあります。
一般道を走っていれば、MT車のクルマが後ろに下がってしまう場面なんて数多くあるものです。
でもそんな事も最近のクルマは「ブレーキホールドシステム」で問題解決。
坂道でブレーキ踏んでなくてもホールドシステムでしっかりブレーキが掛かります。作動していれば後ろに下がらない便利装備。

オマケに私のクルマは電子制御パーキング(サイド)ブレーキ。
坂道発進で、サイドブレーキを握りながらクラッチが繋がった場所で解除するという、あの感覚に任せた微妙な行為をしなくても大丈夫。
クルマが走り出したと感知すれば勝手に解除してくれます。私が免許取った時代からは考えられなかったハイテク装備。

自宅からクルマで1時間もかからない距離の私の職場。
メッセージをやりとりして1時間ほど、嫁が職場の近くまでクルマでやって来ました。少し苦戦したな。

到着するなり、ちゃっかりと助手席に移動する嫁。
もう自分で運転する気はないらしいです。

「最近、このクルマ、坂道で下がるようになったんだけど」
嫁がクレームをつけてきます。
いや、そんな事は無い。ブレーキホールドシステムは、ブレーキ踏んで停車すればそのままブレーキ状態になるはず。

ブレーキホールドシステムのスイッチに指差す嫁。
「ちゃんとこのボタン押してるし」

・・・

・・・

いや、嫁よ。
それは「ecoモード」のスイッチだ。

銀座へ向かってドライブ

子供達がいないので多少ゆっくり過ごせる夜。明日は休日という事もあってか、少しドライブして帰りたくなりました。
時間は20時を過ぎていたので飲食店はほぼ時短で閉店。いつもなら食事でもして帰ろうと思うところですが、オープンしているのはコンビニくらい。
そこで、以前に東京の歴史番組で特集していたスポットがあったので、その場所に行ってみようと思います。

【写真1】
『・嫁と合流直後、我が聖地(笑)秋葉原をバックに』
秋葉原から中央通りを銀座方面に向かって真っ直ぐ走ります。神田駅を通り過ぎる頃には、国道4号、6号、14号、17号と合流して、実質、5本分の国道を同時に走っている事になります。
そして日本橋を過ぎると、今度は国道1号、15号、20号などを走っていることになる不思議。

いつもは首都高で頭上を通り過ぎるか、何気なく橋を渡っている「日本橋」。東北や関西まで至る国道の起点になっているのだなと感じます。

中央通りを銀座一丁目交差点で左折。高級ブティックや休日の歩行者天国で賑わう銀座三丁目から五丁目近辺とは違い、一丁目辺りはオフィスビルやマンションが多くとても静かです。

銀座の三叉橋

【画像2】
少し走ると見えてくるのが、あまり見かけない三叉の橋「三吉(みよし)橋」。
ここは橋の下の首都高速都心環状線(C1)を跨ぎ、三方向へ道が分かれる珍しい橋です。
【画像3】
橋の歴史を示す石碑も立っています。
訪れた時間では、国道や幹線道路からも外れた場所にあり、タクシーが抜け道に使う程度で交通量も多くはありません。
【画像4】
『・ここで左手ルートと右手ルートに分岐します。』
私が通ったルートだと銀座一丁目交差点を背中に、右手方向に渡ると中央区役所とその横から築地方面への抜け道、左手に渡ると首都高の新富町出口を横に新大橋通りに合流します。

【画像5】
『橋の下は首都高(C1)。画像は内回りです。』
どこか橋全体を見下ろせる場所があれば分かりやすい三叉の画像が撮れるのですが、この時間では中央区役所も閉まっていて実現不可能でした。
【画像6】
『・橋の下は首都高で、更にその下には東京メトロ銀座線の新富町駅があります。』
東京駅からもおそらくクルマで5分ほど。足元には首都高速。東京の中心地の中にある少し外れた場所、そんな表現が合いそうです。
周囲には休憩中のタクシーが2〜3台、5分に一回くらいタクシーが抜け道に通る程度。人の住んでいる気配もありますが、夜という事もあってすごく静かな雰囲気でした。
いや、実際にはけっこう首都高速を走るクルマの騒音がするし、おそらく昼間は人通りが多いと思うのですが、独特なデザインの街灯が明るく照らす三吉橋。
静かな雰囲気ですが、騒音はそれなりにあって人の気配もする。都会らしいなと思います。

この三吉橋の歴史は古く、昭和初期まで遡ります。
現在の橋から見える首都高の場所には、築地川という川が流れていました。首都高速を作るにあたり東京の川を埋め立てて作ったお話は有名であり、ここでは説明を省きます。
ちょうど築地川のカーブしている部分と楓川という運河が合流する場所にかけられたのが、現在の三吉橋なのだそうです。
橋はそのままに、川が埋め立てられて首都高速に変わっても、この三叉橋の形は残りました。現在の橋は平成になってリニューアルされた姿だそうです。

【画像7】
『・(左手方向)暗闇に包まれた中央区役所をバックに。』
橋の下には首都高、更に地下には東京メトロ銀座線。
落ち着いた雰囲気の三吉橋でしたが、足元には別の世界が二階層にわたり広がっています。考えてみると面白い。

探せばまだ出てくるドライブスポット

とにかくクルマで距離を走りたい私としては、「銀座へドライブ」するという考えはあまりありませんでした。昼間は混んでるし駐車場代高すぎるし。
「銀座は買い物や食事をする街」と固定観念がありましたが、こうした夜の時間に歴史的なスポットを巡る楽しさは発見だなと感じます。

自宅からもぜんぜん電車で来れる距離。東京の足元には網の目のように地下鉄が走っています。
クルマで行こうなんて思い至らない事の方が多いですが、銀座界隈は江戸時代から人の住む歴史ある街です。
少し調べてみると、歴史的な史跡や形を変えて今も現役で残る歴史あるスポットがまだまだありそうです。

自粛期間は続きます。
あまり人と接する事のない夜、クルマからなるべく降りないドライブを楽しむのにおススメなコースが出来上がりました。

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